結婚・子育て資金贈与のデメリット4つ、使い切れない場合や注意点を解説

「結婚・子育て資金贈与は、使い切れないとどうなる?いつまで?」「親や祖父母が亡くなったら相続税はかかる?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

結婚・子育て資金の一括贈与は、使い切れないまま契約が終了すると贈与税の対象となる可能性があります。また契約期間中に贈与者である親・祖父母が亡くなった場合は、残額が相続財産とみなされ、受贈者に相続税が課されることがあります。使い道が限定されており、金融機関に領収証などを提出しなくてはいけません。

制度を利用できるのは、原則として2027年3月31日までです。最大1,000万円(結婚費用は最大300万円)まで非課税で、領収書の提出や使い道の証明書などが必要です。

本記事では、結婚・子育て資金贈与のメリット・デメリット、使い切れない場合の税金、制度がいつまで使えるのか、認められる使い道、贈与者死亡時の相続税の扱いなどを紹介していきます。本記事を読むことで結婚・子育て資金贈与のデメリット、税金の注意点や主な取扱金融機関を把握できます。ぜひ最後までご覧ください。

結婚・子育て資金贈与の主なデメリット4つ

結婚・子育て資金贈与の主なデメリットは、①使い道が限定されている、②50歳までに使い切れないと贈与税がかかる、③贈与者死亡時は残額が相続税の対象になる、④金融機関に領収書など書類提出が必要という4点です。

1. 使い道が限定されている

結婚・子育て資金贈与のデメリットは、使い道が対象となる結婚・子育て関連費用に限られている点です。

出典:国税庁「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

結婚式・披露宴費用、新居の家賃や敷金・礼金、引っ越し費用、不妊治療、妊婦健診、出産費用、保育料などは対象になりますが、結婚指輪、新婚旅行、婚活費用、結納式の費用、受贈者以外が借りた家の家賃や光熱費などは原則として対象外です。(出典:こども家庭庁「別表1:費目リスト」)

対象外の用途で引き出した金額は贈与税の課税対象となります。よって、「結婚や子育てに関係しそうだから大丈夫」と自分で判断しないことが大切です。

2. 50歳までに使い切れないと贈与税がかかる

対象外の用途で引き出した金額は贈与税の課税対象となります。よって、「結婚や子育てに関係しそうだから大丈夫」と自分で判断しないことが大切です。

結婚・子育て資金贈与を使い切れずに、受贈者が50歳に達すると資金管理契約は終了し、贈与税の課税対象になります。

将来の子育て費用を見込んで多額の資金を預けても、想定より支出が少なければ、最後に税負担が生じる恐れがあります。

出典:国税庁「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

非課税枠が1,000万円あるからといって「上限まで贈与すると有利」とは限りません。

結婚予定、出産予定、保育園利用の見込み、子どもの年齢などを踏まえ、実際に必要となりそうな金額を見積もってから利用しましょう。

3.贈与者死亡時は残額が相続税の対象になる

結婚・子育て資金贈与では、資金管理契約の期間中に贈与者が死亡すると、その時点の管理残額が相続などで取得した財産とみなされ、相続税の課税対象になります。

特に、相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える財産を持つ親・祖父母が利用する場合は、贈与者死亡時の影響を試算しておきましょう。

また、贈与者の死亡後に支払った費用は、原則としてこの非課税措置の対象になりません。生前に支出していても、領収書などにより支出の事実を確認できない場合は、非課税ではなくなる可能性があります。

4.金融機関に領収書など書類提出が必要

結婚・子育て資金贈与を利用するには、取扱金融機関で専用口座を開設し、資金管理契約を結ぶ必要があります。

さらに、払い出した資金が対象費用に使われたことを証明するため、領収書、契約書、住民票、戸籍関係書類、母子手帳の写しなどの提出が必要になることがあります。

結婚・子育て資金非課税申告書は、預金の預け入れなどの日までに、取扱金融機関を経由して税務署へ提出します。

領収書を紛失、提出期限を過ぎると、非課税の適用を受けられない可能性があります。

支払いが複数回に及ぶケースでは、書類管理の負担が大きくなりやすい点もデメリットです。

結婚・子育て資金贈与のメリット

結婚・子育て資金の一括贈与のメリットは、親や祖父母が子ども・孫の将来を早めに支援できることです。一定の要件を満たし、手続きを行うことで受贈者1人につき最大1,000万円まで贈与税が非課税となります。

結婚から子育てまでのライフイベントの費用を、税負担をおさえながら計画的に援助できます。

また、都度お金を渡すのではなく、将来の結婚・出産・育児費用を見越して一括で贈与できる点もメリットです。

贈与者が高齢で、今後の資産管理や判断能力の低下に不安がある場合にも、早期に支援が可能です。

さらに、生前に子や孫の世代へ資産を移すことで、若い世代の経済的な負担を軽減し、結婚や子育ての選択を後押しする効果も期待できます。 ただし、受贈者の年齢・所得要件、使途の制限、残額がある場合の課税リスクなどもあるため、必要額を見極めて利用することが重要です。

結婚・子育て資金口座はゆうちょ銀行で作れない

結婚・子育て資金口座は、制度を取り扱う金融機関で開設します。

2025年10月1日現在の取扱金融機関一覧の中には、ゆうちょ銀行はありません。

主な取扱金融機関
みずほ銀行
みずほ信託銀行
三井住友信託銀行
三菱UFJ信託銀行
りそな銀行
三井住友銀行
横浜銀行など40行

出典:こども家庭庁「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 取扱金融機関一覧

取扱金融機関は変更となる可能性がありますので、制度を利用する際には最新情報を確認しておきましょう。

まとめ

結婚・子育て資金の一括贈与は、条件を満たせば最大1,000万円まで非課税となる制度です。しかし、使い道定められていること、50歳時点の残額に贈与税がかかること、贈与者死亡時に残額が相続税の対象となることなどのデメリットがあります。

扶養義務者から生活費・教育費として、通常必要な範囲でその都度渡される資金は、そもそも贈与税がかからないケースがあります。

そのため、まとまった資金を一括で贈与する前に、「本当に1,000万円近く使う見込みがあるか」「都度贈与のほうが管理しやすいか」「相続税への影響はあるか」を比較・検討することが必要不可欠です。

制度の利用を決める際は、相続・贈与に詳しい税理士に相談し、家族の資産状況とライフプランに合った方法を選びましょう。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、通算申告から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

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