贈与税の相談は税務署と税理士、どちらにすべき? メリット・デメリット、注意点を解説

贈与税の申告で「税務署と税理士、どちらに聞くべき?」「知識が無いけど、自分だけで手続きできるのだろうか」と悩む方は少なくありません。

贈与税の申告時期は所得税などの確定申告と重なるため、税務署の窓口は混雑し対面での相談は予約が必須です。

無料相談は魅力的ですが、税務署は公平・中立な立場で回答します。申告内容によっては「本来払わなくて済んだ税金」を支払ってしまうリスクも潜んでいます。

後悔しない贈与税申告をするために、税務署と税理士それぞれのメリット・デメリット、注意すべき点を把握し、最適な相談先を見極めましょう。

税務署への相談は、ネット・電話・対面の3つの方法がある

贈与税の申告・納税は、財産をもらった人が、贈与された年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっています。贈与税について分からないこと、疑問、不安な部分がある場合は税務署もしくは税理士に問い合わせます。

贈与税申告は、所得税・住民税等の確定申告と時期が重なっており、税務署への電話や相談も確定申告と管轄が同じです。

税務署に相談する方法と相談できる主な内容、方法は以下の通りです。

相談方法相談できる主な内容相談方法
インターネットで完結申告の手順、e-Taxでの申告方法税務相談チャットボット
タックスアンサー(よくある税の質問)
ヘルプデスクFAQ(e-Tax・作成コーナーの操作に関する質問)
電話贈与税の計算方法、申告書の書き方など一般的な相談確定申告電話相談センター 2026年1月5日(月)〜3月16日(月)
確定申告期は電話が大変混み合っており、連休明けや月曜日は特に混み合っています
対面の相談  書類の確認が必要な場合など、直接会って相談したいケース税務署の予約相談 事前予約が必要
確定申告会場で相談 LINEによるオンライン事前予約が必要

出典:国税庁「国税に関するご相談について」をもとに作成

贈与税申告を税務署に相談するメリット

贈与税申告を税務署に相談すると、無料というメリットがあります。また、確定申告会場で相談すると職員と一緒に確認しながら作成できますので、計算ミスや書類の不備をその場で修正できます。

税務署に相談するデメリット・注意点

贈与税申告は、所得税などの確定申告と時期が重なり税務署が混雑する、手続き関連や一般的な回答に留まる、税務署の相談は平日の8:30から17:00までの対応などの注意点やデメリットがあります。

1.所得税などの確定申告と重なり混雑する

贈与税の申告期間(2月1日〜3月15日頃)は所得税の確定申告と重なりますので、窓口は非常に混み合い、数時間の待ち時間が生じる、当日枠が限られ相談ができないケースがあります。

2.回答は手続きの方法や、一般的なものが中心

税務署は国税の徴収を公平に行う行政機関です。
個別の事情に踏み込んだ「どうすればもっと税金が安くなるか」といった節税のアドバイスは受けられず、イレギュラーな判断を委ねるのも困難でしょう。税務署に設置された資料に基づいた、手続きの流れや方法、標準的な計算方法のアドバイスが中心となります。

3.電話や対面の相談は、平日の8時半から17時まで

電話は平日8:30〜17:00、税務署の開庁時間は、月曜日から金曜日(祝日などを除く)の8:30〜17:00です。土日が休みで昼間の仕事をしている場合、勤務時間によっては休暇を取って足を運ばなくてはいけません。

税理士に贈与税申告を相談するメリット4つ

税理士に贈与税申告を相談することで、節税効果や相続を見据えたトータルなアドバイスが期待できる、税務調査のリスクを軽減・対応できる、正確な財産評価が可能などのメリットがあります。

1.節税効果が期待できる

税務署は、評価額が圧縮できる制度の存在や特例などについては教えてくれますが、中立な立場ですので複数の選択肢がある場合に「どちらが納税者にとって得か」までは踏み込みません。例えば、暦年贈与で毎年同額を同時期に贈与すると、税務署に「定期金給付契約に基づく定期金に関する権利」の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。たとえ年間110万円以内の基礎控除額の範囲内であっても、贈与税が課されてしまいます。

ただし、贈与する度に契約書を作成し金額や時期を変更するなど「独立した贈与であること」を証明できるようにすれば課税されません。
相続時精算課税を選択するという方法もあり、相続を見据えた専門知識を持つ税理士に相談することが重要となります。

2. 税務調査のリスクを軽減・対応できる

税理士が作成した申告書には「税理士の署名」が入りますので、信頼性が高まるというメリットがあります。また、万が一税務調査が入った際にも、税理士が立ち会うことが可能です。

3.正確な「財産評価」で過払いを防ぐ

例えば土地の評価では、形が歪で四角ではない(不整形地)などマイナス要因を適切に反映させることで、評価額を下げられるケースがあります。税務署では現場調査を行っていないため、納税者に専門知識が無いと見落とす事例は多いです。

不動産・有価証券・ゴールド・骨董品などは評価方法が複雑で、適切に評価しないと余分な税金を支払うことになりかねません。税理士は、不動産鑑定士などの専門家とも連携しながら適正な評価額を算出してくれます。

4.相続を見据えたトータルなアドバイス

贈与税だけでなく、将来発生する「相続税」まで見据えたアドバイスがもらえます。贈与税申告だけではなく、家族間でのトラブルを防ぐための遺言書のアドバイスなど資産全体のコンサルティングが受けられる点も大きなメリットです。

税務署もしくは税理士に相談した場合の比較表を見ていきましょう。

区分税務署に相談税理士に相談
スタンス公平・中立納税者の味方
土地評価基本的な評価減額要因を細かく反映
視点贈与税申告の回答将来の相続まで見据える
調査対応自分で対応すべて代行可能
コスト無料数万円〜
(税理士法人によって異なる)

税理士に贈与税申告を相談するデメリット

税理士に税務相談や申告を依頼すると、コストがかかります。ただし、専門知識が無い者が財産評価をすると、評価額を高く見積もり税金を多く支払ってしまう可能性があります。

まとめ

税務署における相談は、無料で贈与税申告の手続きや一般的な計算方法を教えてもらえます。

ただし、中立・公平な立場ですので、納税者にとって最も有利な申告方法までは教えてくれません。税理士に相談することで、税金の負担が少ない生前贈与の方法や、将来の相続税まで見据えた戦略的なアドバイスを受けられます。税務調査のリスクも軽減でき、万が一の際には専門家が立ち会って対応してくれる安心感もあります。

後悔しない贈与税申告のために、贈与税に強い税理士に相談してみることをおすすめします。まずは、気軽に問い合わせてみましょう。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、連結納税から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

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