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相続人が海外在住の場合、相続税や手続きはどうなる?
海外に住んでいる相続人は、主に「非居住無制限納税義務者」「非居住制限納税義務者」に分類され、日本国籍を有しており相続開始前10年以内で国内に住所があるなどの「非居住無制限納税義務者」は日本国内・国外すべての財産に相続税が課されます。
一方で海外に住んでおり日本国内に住所がなく、かつ相続開始前10年以内においても日本国内に住所がない相続人は、日本国内の財産のみに課税されます。
日本で相続税を支払う必要があるのか、課税範囲はどうなるのかは、相続人の住所、国籍、および被相続人(亡くなった人)の状況によって決まるのです。
本記事では「非居住無制限納税義務者」と「非居住制限納税義務者」それぞれの課税範囲の違い、相続財産の国内外区分基準、申告・納税の手続きや期限、海外在住でも活用できる税額控除についてお伝えします。
海外に住んでいても日本の相続税と無関係とは限りません。自身の状況を正確に把握し、適切な対応を取るためにもぜひ最後までご覧ください。

非居住無制限納税義務者は国内外全ての相続に課税、非居住制限納税義務者は国内財産のみに課税
相続税は、基本的に相続・遺贈で財産を得た時に海外に居住しており日本に住所がない人は、「国内財産のみ」が課税対象です。
ただし、日本国籍があり相続開始前10年以内に日本に住所がある、相続開始前10年以内に日本国内に住所がないものの、被相続人が「外国人被相続人」や「非居住被相続人」ではない場合などは「非居住無制限納税義務者」に分類され、日本国内・国外すべての財産に相続税が課されます。
海外に相続人が住んでいる場合、主に以下の1.非居住無制限納税義務者、または2.非居住制限納税義務者に分類されますので、自身がどちらに該当するのかチェックしておきましょう。
| 分類 | 相続税の課税 | 該当する人 |
| 非居住無制限納税義務者 | 日本国内・国外すべての財産に課税 | 下記の1~3のいずれかに該当する 1.日本国籍を有している人で、相続開始前10年以内のいずれかの時に日本国内に住所を有していたことがある 2.日本国籍を有している人で、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことはないが、被相続人が「外国人被相続人※1」や「非居住被相続人※2」ではない 3.日本国籍を有しない人であるが、被相続人が「外国人被相続人※1」「非居住被相続人※2」や「非居住外国人※3」ではない |
| 非居住制限納税義務者 | 日本国内の財産のみに課税 | 日本国内に住所がなく、かつ相続開始前10年以内においても日本国内に住所がない人 |
※1.外国人被相続人:相続開始の時に在留資格を有している上に、日本国内に住所を有していた人
※2.非居住被相続人:相続開始の時に日本国内に住所・居所がない被相続人のうち下記ABいずれかに該当する人
A.相続開始前10年以内で日本国内に住所を有していたことがある、かつ、いずれの時においても日本国籍を有していなかった人
B.相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人
※3.非居住外国人:相続開始の時に日本国内に住所・居所がなく、日本国籍を有しない被相続人
以下の表でも確認しておきましょう。

青部分は国内外全ての相続に課税、白部分は国内財産のみが課税対象
出典:国税庁「税務大学講本 相続税法(令和8年度版) 第2章 納税義務者」
どの財産が「日本国内財産」になるのか?
相続税では、財産ごとに「どこに所在するか」を判定する基準があります。
主な例は以下の通りです。
| 財産の種類 | 国内財産になる基準 所在地が日本であれば国内財産、海外であれば国外財産 |
| 不動産 | 不動産の所在地 |
| 金融機関の預金・貯金など | 受け入れをした営業所または事業所の所在地 |
| 株式 | 発行法人の本店、または主たる事務所の所在地 |
| 生命保険金・損害保険金 | 契約を結んだ保険会社本店、または主たる事務所の所在地 |
| 退職手当金等 | 退職手当金等を支払った者の住所または本店、もしくは主たる事務所の所在地 |
| 貸付金 | 債務者の住所・本店所在地 |
| 国債・地方債 | 日本国内財産 |
| 外国国債 | その外国所在 |
| 投資信託・外国投資信託 | 信託の引き受けをした営業所または事業所の所在地 |
| その他の財産 | 財産の権利者であった被相続人の住所 |
例えば、日本企業の株式は、相続人が海外在住でも日本国内財産として扱われることがあります。
海外在住の相続人の申告・納税手続き、申告期限は10か月以内
相続税の申告期限は、「相続開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10か月以内」で、海外在住でも期限は同じです。
ただし、被相続人の死亡を「知った日」から起算されます。よって相続税の期限は、被相続人が亡くなったことを知るまで相続人が数日間あるいは数カ月かかっても「知った日」の翌日からカウントされ、10カ月以内となります。
日本国内に住所がない相続人が相続税申告をする場合は、日本国内にいる「納税管理人」を選任します。選任するためには「納税管理人届出書」を、税務署へ提出する必要があります。
納税管理人とは、日本の税務署との窓口になる人で、税理士や親族が管理人となるケースもあります。
申告は、原則として被相続人の最後の住所地を管轄する税務署です。
海外在住でも使える税額控除
海外在住の場合、海外財産について現地国でも相続税に相当する税金がかかり、日本との二重課税になる可能性があります。
その場合は、「外国税額控除」により、日本の相続税から一定額を差し引くことが可能です。
また、18歳未満の法定相続人であれば、海外在住でも未成年者控除を受けられるケースがあります。主に、日本国籍を有し相続開始前10年以内に日本国内の住所歴がある人や、被相続人が外国人被相続人・非居住被相続人・非居住外国人でない場合などが対象です。
まとめ
海外在住の相続人に対する日本国内の相続税は、相続人の国籍・住所歴・被相続人の状況によって異なります。
自身がどちらに分類されるか、どの財産が課税対象になるかといった判断は、個々の状況によって異なりますので、一般的な情報だけでは正確な判断が難しいケースも少なくありません。
相続に詳しい税理士に相談することで、課税範囲の判定から納税管理人の手配、外国税額控除の活用まで、状況に応じたアドバイスを受けることができます。
まずは無料相談を活用して、専門家に早めに相談することをおすすめします。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、通算申告から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
デジタル遺言とは?法務省の制度3つを紹介!公正証書遺言など手続きのオンライン化が進行
「デジタル遺言アプリで遺言書を作れる?」「民間のサービスは費用がかかる。公的な制度は無いの?」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
スマートフォンやPCが日常に浸透する中で、遺言書のデジタル化への関心は高まっています。しかし2026年4月時点で、アプリで作成した電子データには原則として遺言書として法的効力がありません。
一方で、法務省はデジタル遺言に向けた制度整備を進めています。
公証役場での手続きがオンライン化された公正証書遺言(2025年10月開始)、「保管証書遺言」の創設案、そして一部法務局での自筆証書遺言書保管制度のオンライン試行など、遺言書をめぐる手続きのデジタル化施策が進行しているのです。
今回はデジタル遺言の概要と法務省が進める3つのデジタル遺言制度を解説します。

デジタル遺言は、法務省の制度と民間のオンラインサービスで作成した遺言書
一般的にデジタル遺言とは、①法務省など公的なデジタル遺言の制度で作った遺言書、②民間の遺言書作成アプリ、オンラインの作成補助ツールなどサービス全般で作成した遺言書の総称として使われています。
ご自身で「デジタル遺言」を電子データとして保存している方も、いらっしゃるかもしれません。
2026年4月現在、遺言書は自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言の3種類いずれか一定の要件下のもと書面で作成したもののみ、法的な効力があります。
エンディングノート・アプリや動画などは、基本的に法的拘束力がありません。
ただし、アプリで作成した内容を紙に書き自筆証書遺言として保管すると、遺言書として法的効力が生じます。
そして、電子データや電子署名は、法制審議会で要綱案が決定(2026年1月20日)され、同年4月3日に民法等の改正法案として閣議決定・国会提出された民法改正案が成立した際には、一定の要件を満たすと認められる可能性があります。
今回は法務省のデジタル遺言制度について、①デジタルを活用した保管証書遺言の新設と自筆証書遺言の改正案、②2025年10月開始の公正証書遺言の作成手続きデジタル化、③自筆証書遺言書保管制度のオンライン手続きを試行(一部の法務局のみ)の3つをお伝えしていきます。
法務省のデジタル遺言制度3つを紹介
法務省はデジタル遺言制度(遺言のデジタル化)には2026年4月現在、主に以下3つの施策があります。
| 1.遺言書全文のPC作成等ができる民法改正の要綱案が決定・国会に法案提出(2026年4月)2.2025年10月から公正証書遺言の作成手続きがデジタル化 3.法務局の自筆証書遺言書保管制度のオンライン手続きを試行(一部の法務局のみ) |
1.遺言書全文のPC作成等ができる民法改正の要綱案が決定・国会に法案提出(2026年4月)
法制審議会民法(遺言関係)部会では、2024年4月から遺言制度の見直しを審議しており、2026年1月20日には「民法(遺言関係)等の改正に関する要綱案」が決定しました。
要綱案にはデジタル技術を活用した「保管証書遺言」が創設され、自筆証書遺言の仕組みも見直されます。
改正案を含む自筆証書遺言と、新設される保管証書遺言をあわせて見てみましょう。
| 項目 | 自筆証書遺言(改正案含む) | 保管証書遺言(新設) |
| 作成方法 | 遺言者が全文、日付、氏名を自書 財産目録は全ページに署名・押印することでPC作成可能 | 遺言書全文についてPC作成の電子データ(電磁的記録)、電子署名が可能となる ただし遺言書全文を、遺言書保管官の前で口述しなくてはならない ※口述できない人は代替措置あり |
| デジタル活用 | 財産目録を除き、手書き必須 | 電磁的記録による作成や、ウェブ会議を通じた口述・本人確認が可能に(遺言書保管官に認められた場合) |
| 署名・押印 | 署名が必要。なお、目録等の押印要件は廃止の方向 | 署名、または電子署名等の法務省令で定める措置を講じる |
| 保管・効力 | 遺言者自身などが保管。法務局に預けることもできる | 遺言書保管所(法務局)での保管が効力発生の要件 |
| 本人確認 | 特になし 法務局に遺言書を預ける場合は、所定の手続きが必要 | 申請人からの申出があり、申出を遺言書保管官が相当と認める時にはウェブ会議での本人確認が行われる 対面も可能 |
| 家庭裁判所の検認 | 相続開始後、家庭裁判所での検認が必要 法務局に保管されている場合は検認不要 | 遺言書保管所に保管されているため、検認は不要 |
保管証書遺言は、遺言書全文をPCで作成し電子データとして保管できますが遺言書全文を、遺言書保管官の前で口述しなければいけません。ウェブ会議での本人確認は、申請人からの申出があり、遺言書保管官がその申出を相当と認める場合にのみ行われます。
申請人が、一定の環境化で顔写真付きの本人確認資料(マイナンバーカードなど)を提示または提供することで本人確認を実施します。
遺言書は利害関係者が不正をはたらく恐れがありますので、厳格な本人確認が行われるのです。
ざっくり言うと、保管証書遺言は「安全・確実だが手続き必須」、自筆証書遺言は「手軽だがなりすましや改ざんなどのリスクあり」というイメージです。
2.2025年10月から公正証書遺言の作成手続きがデジタル化
2025年10月から公正証書遺言の作成の手続きがデジタル化されました。公正証書の作成手続きが、紙と対面からオンライン中心となります。

出典:法務省「公正証書の作成に係る一連の手続のデジタル化の概要」
改正前は、申請者は公証役場に赴き申請し印鑑証明書などで本人確認を行い、紙の書面に署名・押印する必要がありました。改正後はインターネットから申請できるようになり、マイナンバーカードなどを用いた電子的な本人確認が可能となっています。
公証人による意思確認や内容チェックも、一定の条件のもとではウェブ会議を利用できます。公正証書も原則として電子データで作成・保存され、当事者はオンライン上で内容を確認し、電子署名によって手続きができます。
完成した公正証書は紙だけではなくデータで受け取ることも可能です。
3.法務局の自筆証書遺言書保管制度、一部の地域でオンライン手続きを試行
自筆証書遺言書保管制度では、一部の法務局でオンライン手続きが試行されています。

出典:東京法務局「遺言書保管制度のオンライン手続の試行を実施中です!」
「保管書類の事前チェック」は、遺言書や申請書、添付書類の写しをPDFや画像データとして電子メールで送信することで、形式面の不備などをあらかじめ確認してもらえます。
変更届出については、遺言者や受遺者、遺言執行者などの住所や氏名の変更に関する届出を一定の要件を満たした際に、電子メールで行うことが可能となっています。
なお、オンライン対応は全国一律ではなく、事前チェックは一部の法務局、変更届出のメール提出は東京法務局本局で試行的に実施されている点に注意しましょう。
まとめ
法務省が進める遺言のデジタル化は、①保管証書遺言の新設を含む民法改正案の閣議決定・国会提出(2026年4月)、②2025年10月からの公正証書遺言手続きのオンライン化、③一部法務局での自筆証書遺言書保管制度のオンライン試行、の3つが主な柱です。現時点ではアプリや電子データのみで法的に有効な遺言書を作ることはできませんが、制度整備が進んでいます。
遺言書の作成とあわせて、相続税や贈与税の対策も早めに検討しておくことが重要です。
「どの遺言の形式が自分に向いているか」「相続税を少しでもおさえるにはどうすればいいか」など、相続・贈与に詳しい税理士に相談することで、より安心な備えができます。
まずはお気軽にご相談ください。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、通算申告から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
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相続税が払えない時の対処法7つを解説!現金がなくても必ず期限内申告を
相続税が払えない時「どうすればいいかわからない」と不安になる方は少なくありません。2026年4月、SNSで「相続税は現金一括納付のみ」という誤った情報が拡散されました。しかし、実際には現金がすぐに用意できない場合でも、要件を満たし手続きをすることで分割払い(延納)が可能となります。延納だけではなく、預貯金の仮払い制度を利用する、相続税分の相続財産のみを分割する(一部分割)など複数の対処法が存在します。
相続税には申告・納税の期限(「被相続人が死亡したことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内)があり、期限を過ぎると延滞税や差し押さえといったペナルティが発生しますので「払えないからといって放置しないこと」が重要なポイントです。
本記事では、相続税が払えない時に取れる7つの対処法と、事前に確認しておきたい注意点を解説します。

相続税、現金一括納付のみは間違い!
2026年4月4日、SNS「X(旧Twitter)」で2024年12月に54歳で急逝した俳優・歌手の中山美穂さんの「約20億円相当の遺産の相続税を長男が払えないとして相続放棄した」という発信(Post)がありました。
中山美穂さんの遺産額、長男に関する報道の真偽は定かではありませんが文章の中に「相続税は現金一括納付のみ」という誤った情報が含まれていました。
日本の相続税は、現金で払えない場合であっても相続税額が10万円超、金銭による納付が困難であるなど一定の要件を満たすと「延納」という年払いでの納付が可能となります。
延納が困難である方は、納付を困難とする金額を限度として、一定の相続財産で現物を納付すること(物納)が認められています。

※延納は担保の提供が不要なケースもあり。
延納、物納以外にも預貯金の仮払い制度を利用する、納税分のみ遺産分割をするといった対処法があります。
相続税が払えない時の対処法7つ
相続税は被相続人(亡くなった方)が死亡した日、もしくは相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に、税務署に申告・納税しなくてはいけません。払えない場合であっても、放置すると延滞税などのペナルティが発生しますので、期限内申告は必ず行いましょう。
相続税が払えない時には、以下7つの対処法があります。
| 対処法 | 概要 | デメリット・注意点 | 向いているケース |
| 相続財産の売却 | 不動産など相続した資産を現金化して納税に充てる方法。相続開始直後から、相続税の納付期限(相続開始から10カ月以内)に間に合うよう、早めに動き出す必要がある | 市場価格により金額が変動する。不動産や骨とう品など流動性が低い資産は売却までに時間がかかる | 不動産・貴金属・骨とう品・ゴルフ会員権など換金できる資産がある |
| 延納(分割払い) | 税務署への申請と担保提供などを条件に、年払いの納付が認められる制度。利子税が別途かかる | 担保が必要。(延納税額が100万円以下でかつ延納期間が3年以下の場合は不要) 利子税分のコストが生じる | すぐに現金が用意できないが、将来的に返済できるケース |
| 物納(財産で納付) | 不動産や有価証券などを現物のまま税務署に納める方法。 現金納付・延納が困難で一定の要件を満たす場合に適用される | 要件が厳しく定められており、全ての財産が認められるわけではない | 現金・延納ともに対応が難しい |
| 金融機関からの借入 | 銀行などから納税資金を調達する。不動産などの財産を担保に差し入れることができる | 金利負担が発生。担保となる資産が必要なケースが多い | 担保が必要なケースでは。担保にできる財産を保有している 返済の見通しがある |
| 預貯金の仮払い制度 | 遺産分割協議が完了する前でも、被相続人の預貯金の一部を引き出して納税に使える制度 | 引き出せる金額に上限あり(※1) | 被相続人の預貯金口座に一定の残高がある |
| 遺産の一部分割 | 仮払い制度を利用しても納税額に満たないかつ遺産分割が終わっていないケース 納税に必要な分のみを分割協議し、資金を確保する | 相続人全員の合意が必要。部分的な協議でも全員の署名・押印が必要 | 遺産全体の分割協議は時間を要するが、納税期限が迫っている |
| 相続放棄 | 相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に手続きが必要 | 遺産を相続できなくなる | 遺産を相続したくない 相続の手続きを一切したくない |
※1 同一金融機関から150万円が上限(各口座の残高×1/3×法定相続分の範囲内)
相続税が払えない時に確認したいこと、注意点
相続税を現金で納付できない時に確認すべきこと、注意点を3つお伝えしていきます。
1.基礎控除額や各種控除、特例の活用
そもそも基礎控除額以内(3,000万円+法定相続人の数×600万円)であれば、相続税はかかりません。
また、相続税には被相続人の配偶者の税額軽減(配偶者の法定相続分相当額もしくは1億6,000万円までが非課税)を始め、未成年者控除、障害者控除などの控除があり相続税評価額から差し引くことが可能です。被相続人の債務や葬式費用も同様です。
不動産に関しては、一定の要件を満たすと小規模宅地等の特例により評価額を減額できますが、要件や手続きが複雑ですので気になる方は税理士に相談することをおすすめします。
2.他の相続人が相続税を払わないと、肩代わりする義務が生じることがある
相続人が複数いる場合、他の相続人の未納税額を肩代わりする義務が生じる場合があります。例えば相続人・受遺者(相続人ではないが遺産を受け取る者)が2人以上おり、他の相続人・受遺者が相続税を納めていないケース、申告前に納税義務者が死亡したケースなどです。
延納の許可を受けた、農地・山林・非上場株式等の納税猶予の適用を受けた場合などは連帯義務が生じません。
3.相続税を払わないor申告しないと、延滞税、差し押さえなどのペナルティが生じる
相続税を期限内に支払わなかった場合、延滞税の発生や、財産の差し押さえ、さらには刑事罰の対象となる可能性があります。
まず相続税を期限までに納付しないと、本来の税額に加えて延滞税が課されます。延納(分割払い)の許可を受けた場合には、期間に応じた利子税をあわせて納付する必要があります。
税金を滞納し、督促を受けても完納されない場合には、国税局や税務署による滞納処分(差し押さえ)が執行されます。被相続人から引き継いだ相続財産だけでなく、相続人自身の財産が差し押さえられることもあります。そして、偽りその他不正の行為で税を免れた者は、脱税(10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方)など刑事罰の対象となり、正当な理由がなく期限内に申告書を提出しなかった場合も1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられることがあります。
まとめ
相続税が払えない場合でも、延納・物納(延納も困難なケース)・金融機関からの借入・預貯金の仮払い制度など、状況に応じたさまざまな対処法があります。
共通して言えるのは「遺産分割が終わっていなくても、期限内の申告は必ず行うこと」です。
各制度には要件や手続きが細かく定められており、適用できるか否かの判断は専門的な知識が必要です。また、小規模宅地等の特例や各種控除を正しく理解し活用できるかどうかで、納税額が大きく変わることもあります。
「自分のケースではどの方法が使えるのか」「どれだけ税額を減らせるのか」を正確に判断するためには、相続税を専門とする税理士への相談がおすすめです。
相続発生後は葬式や遺品整理、各種手続きなどやるべきことが多く、時間的な余裕も限られています。早めにご相談いただくことで、最適な納税プランを一緒に考えることができます。まずはお気軽に無料相談からご活用ください。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、通算申告から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
教育資金一括贈与の非課税、2026年4月以降はどうなる?使い切れない場合の対処法も
最大1,500万円を非課税で贈与できる「教育資金の一括贈与の非課税措置」は、2026年3月31日で新規契約・追加拠出の終了が決定しています。
「4月以降、口座に預けているお金はどうなるの?」「まだ非課税枠が余っているけれど、今からでも間に合う?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では2026年4月以降に変更される点と継続される点、非課税枠を使い切りたい方への注意点を解説します。そして教育費を非課税で都度贈与するポイント、代替措置として他の贈与税の非課税措置も紹介していきます。
贈与税の負担をできるだけ軽減したい方、贈与税の非課税措置が気になる方はぜひ最後までご覧ください。

教育資金の一括贈与の非課税措置、2026年4月以降は新規契約・追加拠出が不可に
教育資金一括贈与の非課税措置とは、30歳未満の方が祖父母などの直系尊属から金融機関との契約に基づき教育資金を贈与された際に、教育資金非課税申告書を提出するなど一定の要件を満たすことで1,500万円まで、贈与税が非課税となる制度です。

出典:国税庁「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」
以前から税制調査会で利用者の減少が指摘されており、令和8年(2026年)の税制改正大綱により3月31日で信託等可能期間の終了が決定しました。

出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」
2026年4月以降は新規契約・追加拠出ができなくなるが、払い出しは引き続き可能
2026年4月からは、新たに教育資金一括贈与の非課税措置を利用すること、新規の拠出が不可能となります。ただし、専用口座からの払い出しや口座の利用は引き続き可能です。
| 項目 | 2026年4月以降の取り扱い | 内容 |
| 新規の契約 | 終了・不可 | 新たに専用口座を開設できない |
| 追加の拠出 | 終了・不可 | 追加の入金はできない |
| 非課税での払い出し | 可能 | 3月末までに預け入れたお金は、一定の教育資金に利用する場合は引き続き非課税で引き出せる |
| 口座・契約の維持 | 可能 | 卒業や年齢制限(原則30歳、最長40歳)まで契約は存続 |
なお、引き出しの際に教育資金であることを証明する領収書等を金融機関へ提出するルールは今後も変わりません。教育費に充てた際には、必ず領収書を保管しておきましょう。
教育資金一括贈与の非課税措置、使い切りたい方は3月末までに入金を
教育資金の一括贈与における非課税措置を最大限に活用したい方は、2026年3月31日(火)までにすべての入金(拠出)を完了させる必要があります。
特に3月は年度末ですので金融機関の窓口が通常より混む傾向があり、専用口座への追加入金の手続きは時間がかかるケースが多いため、早めの行動をおすすめします。
ただし、扶養の義務がある親・祖父母が子どもや孫に教育費を都度贈与することに対しては引き続き贈与税が課されません。
都度の教育費の贈与は、引き続き非課税
原則として親や祖父母などの扶養義務者が、子や孫の学費、教材費、文具代といった教育費を「必要な時に必要な分だけ」直接支払うケースでは贈与税はかかりません。
ただし、教育費という名目であっても、まとまった金額を受け取って自分の口座に預金する、株式の購入資金に充てるなどの行為は、通常の贈与とみなされ課税対象となる点に注意が必要です。
また、毎年一定額を一定の期間に渡り贈与を受けることが、贈与者との間で契約(約束)されていると、「定期金給付契約に基づく定期金に関する権利」の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。贈与契約書を作成・保管しておくことが望ましく、領収書は必ず取っておきましょう。
まとまった金額を贈与したい方は、他の制度を活用しよう
子どもや孫にまとまった金額を贈与したい方は、他の制度を活用するという方法があります。贈与に関する非課税制度には、以下の4つがあります。
| 制度名 | 主な対象・目的 | 非課税枠(限度額) | 主な特徴・注意点 |
| 暦年課税制度 | 資産の承継・生前贈与 | 年間110万円(基礎控除) | 受贈者1人あたり年間110万円まで贈与税がかからない。ただし、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算される(生前贈与加算)。 |
| 相続時精算課税制度 | 資産の承継 | 特別控除2,500万円 +年間110万円(基礎控除) | 贈与時は非課税でも相続時に精算を行う。一度選ぶと暦年課税に戻れない。 |
| 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税 | 挙式・出産・育児支援など | 1,000万円 ※結婚は300万円まで | 受贈者(贈与される人)の所得制限、年齢制限など一定の要件を満たす必要がある。金融機関で専用口座を作成し、領収書提出が必要。 |
| 住宅取得等資金の贈与の非課税 | マイホームの購入・増改築 | 省エネ等住宅は1,000万円、それ以外は500万円(2026年3月末までの贈与) | 受贈者(贈与される人)の所得制限、入居時期など一定の要件を満たす必要がある。 贈与税申告の手続きが必須 |
上記の制度は併用できるものもありますが、受贈者の年齢や所得、今後のライフプランによって最適な組み合わせが変わります。
教育資金一括贈与の非課税措置(上限1,500万円)を使い切れない(3月末までに入金できない)ものの、まとまったお金を贈与したい方は、その都度贈与する、上記のような相続時精算課税制度や他の非課税制度を利用するという方法があります。
まとめ
2026年4月1日以降教育資金の一括贈与の非課税措置は、新しい契約や追加の入金ができなくなります。しかし、すでに口座に預け入れている資金については、これまで通り卒業や年齢制限まで非課税で使い続けることが可能です。
入学金や授業料など、その都度必要な分を直接支払う「都度贈与」は原則として贈与税はかかりません。教育資金一括贈与の非課税措置の期限に間に合わなかった、使い切れなかった場合でも、都度贈与、他の非課税制度を組み合わせることで贈与税の負担が軽減できるでしょう。
「どの制度が私たちに最適なのか」「具体的な節税効果はどのくらい?」など、贈与に関して少しでも不安や疑問がある場合は、早めに税務の専門家である税理士へ相談することをおすすめします。
個々の状況に応じた最適なプランを提案してもらうことで、大切なお金をスムーズに次世代へ引き継ぐことができるでしょう。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、通算申告から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
贈与税申告の税理士報酬・相場は?自分で行う難易度、無料相談を賢く活用する方法も
「贈与税申告を税理士に依頼したら報酬はいくら?」「自分でできる?」などの疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
贈与税申告を自分で行うべきか、税理士に依頼すべきか悩む方は少なくありません。また、税理士に依頼する場合の費用や報酬の相場が気になる方も多いでしょう。
贈与税申告の難易度や料金は、贈与された財産の種類や利用する特例によって大きく異なります。
1度きりの現金の贈与であれば自分で申告できるケースもありますが、不動産や非上場株式などが含まれる場合は専門的な評価計算が必要となり、税理士に相談した方が良い事例もあります。
本記事では、贈与税申告にかかる税理士報酬・費用の相場や料金の目安とともに、自分で申告できるケースと専門家への依頼が推奨されるケースの違いも詳しくご紹介します。
「贈与税について税理士に無料相談したい」という方に向けた賢い無料相談の活用方法もお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

贈与税の申告を依頼した際の費用・報酬相場
税理士に依頼する場合、贈与された財産の種類や特例利用の有無によって報酬・料金が異なります。多くの税理士事務所が提示している贈与税申告の料金表の目安は以下の通りです。
単年度の少額現金贈与: 5万円〜10万円程度
複雑な評価計算が不要なため、贈与税の税理士報酬としては比較的安価です。ただし、複数年にわたった贈与は注意が必要です。(後で詳しく解説します)
不動産・株式など評価が難しい財産がある場合: 10万円〜30万円程度
土地の形状に応じた路線価の補正計算や、非上場株式、権利関係の計算は高度な専門知識が必要になりますので、贈与税申告の報酬の相場は少額贈与と比べ高めとなります。
贈与税申告の税理士報酬に影響を与えるポイント
費用が変動する主な要因は以下の通りです。
| 贈与財産の種類と金額 | 贈与額が多いと、税務処理に高い精度と専門知識が求められ、税理士にとってリスクも高くなりますので報酬が加算される傾向にあります |
| 相続時精算課税制度の利用 | 専用の届出書の作成、戸籍謄本のチェックなどの作業が増えますので、一般的に数万円の追加料金がかかります |
| 特例適用の有無 | 住宅取得資金などの特例適用には、厳密な要件確認や書類チェックが必要ですので加算される事例が多いです |
| 複雑な財産評価 | 不整形地(いびつな形の土地)、非上場株式などの評価は専門的な領域であり、報酬が大きく変動します |
贈与税とは?申告が必要なケース
贈与税とは、個人から無償で財産を受け取った際、贈与を受け取った側(受贈者)に対して課される税金です。申告期間は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までで、2026年は3月16日(月)が申告期限となっています。
贈与税の申告義務が生じるのは以下の3つのケースです。
1.年間で贈与された金額が110万円を超えたとき
1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額が基礎控除(110万円)を超えた場合、暦年課税・相続時精算課税ともに超えた部分に対して課税されます。
2.相続時精算課税制度を適用する初年度
相続時精算課税制度は、原則60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した時に選択できるものです。手続きを行い、一定の要件を満たすと2,500万円までの贈与が非課税となる制度です。暦年課税方式と同様に、年間110万円の非課税枠があります。

出典:財務省「もっと知りたい税のこと「相続税」と「贈与税」を知ろう」
この制度を選択する際は、贈与額に関わらず初年度に必ず届出が必要です。
3.住宅取得等資金の非課税措置などの制度を利用する場合
「住宅取得等資金の非課税措置」などの制度を利用する場合、最終的に納める税金の額がゼロであっても申告書の提出が必須となります。
相続時精算課税の届け出をしない場合は、自動的に暦年課税が適用されます。暦年課税の仕組みと税率は以下の通りです。

出典:財務省「もっと知りたい税のこと「相続税」と「贈与税」を知ろう」
自分で贈与税申告ができるケース、難しいケース
贈与税の申告手続きは、贈与された財産や利用する制度によって難易度が異なります。
自分で申告できるケース
現金のみを該当年だけ贈与した際には、贈与税申告を自分で行うことは可能です。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でスマホやPC、マイナンバーカードを使って、自宅から電子申告ができます。
ただし「毎年○万円ずつ数年間にわたって贈与を受けた」というケースは要注意です。
たとえ金額が基礎控除額の110万円以下であっても、「定期金給付契約に基づく定期金に関する権利(一定の期間にわたり一定額の給付を受ける契約に係る権利)」の贈与を受けたものとみなされ、贈与税がかかります。出典:国税庁「贈与税がかかる場合」
贈与契約書を作成し「都度の贈与である」と証明しなければいけませんので、気になる方は税理士への相談をおすすめします。
専門家への依頼が推奨されるケース
贈与された財産に「不動産(土地・建物)」や「非上場株式」「骨とう品」「権利」など評価が難しい財産が含まれる場合、国税庁の定める財産評価基本通達に則った評価額の計算が必要となります。
また「住宅取得等資金の非課税措置」など、各種特例を適用するための要件確認や添付書類の収集・チェックも煩雑になりがちで、専門家に依頼する方が多いです。
「住宅取得等資金の非課税措置」の必要書類・添付書類の詳細は、こちらの記事をご覧ください。 専門知識が求められるケースでは、一般の方にとって贈与税申告が難しくなりますので税理士への依頼が推奨されます。
「税理士の無料相談」を賢く活用するための3つのポイント
「贈与税申告が必要か分からない」「自分で申告するのは少し難しそう」と感じたら、まずは税理士の無料相談を利用してみることをおすすめします。
多くの税理士事務所では、初回30分〜1時間程度の無料相談を実施しています。
無料相談では、以下の3つのポイントを確認しましょう。
贈与税の申告義務の有無、適用できる特例
贈与税の申告が必要なのか、税負担を軽くできる特例(配偶者控除や住宅取得資金の非課税など)が使えるか、判断してもらえます。
自分で申告する場合のリスク
現在の事案が自分で贈与税申告を完結できるレベルなのか、あるいは専門的な評価が必要な難しい贈与税申告のケースなのか、プロの視点でアドバイスがもらえます。
具体的な見積もりとサポート範囲
贈与税報酬の相場をベースに、贈与財産の種類や特例の有無などに合わせた具体的な料金を提示してもらいましょう。
「とりあえず相談」で大幅に税額が軽減できることも
贈与税の申告は、やり方を間違えると「本来払わなくてよかった税金」が発生してしまうリスクがあります。例えば無料相談の段階で相続時精算課税制度のメリット・デメリット、非課税制度を適用可否、将来の相続をみすえた生前贈与の方法や客観的な対処法などが分かり、相続税対策だけではなく「トラブルを回避できる相続」につながることがあります。
まずは税理士に無料相談を行い疑問や不安を解消した上で、自分で申告するかそれとも依頼するかを判断してみてはいかがでしょうか。
まとめ
生前贈与を使った将来的な相続税対策も含め、迷った時にはとりあえず税理士の無料相談を積極的に活用し、専門家の客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、連結納税から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
贈与税申告の必要書類、現金や住宅取得等資金をもらった時は?入手方法とあわせて解説!
「贈与税の申告、必要書類は?何を準備すれば良い?」「非課税措置を使うのだけど、申告は必要?」と戸惑う方は少なくありません。
贈与税の申告書と添付書類は、もらった財産の種類や利用する制度によって異なります。また、住宅取得等資金の非課税措置などの制度を利用して贈与税がかからない場合であっても申告は必要です。
特に住宅取得等資金の非課税措置の申請は、添付書類が多いため税理士等専門家に相談する方が多いです。
今回は、現金をもらったケースと住宅取得等資金をもらったケースに分けて、必要書類と入手方法を解説します。2025年(令和7年)分の申告期限は2026年3月16日(月)です。
書類の取り寄せ・作成等に時間がかかるものもありますので、早めに準備しましょう。

贈与税申告が必要な人、申告期間と方法
贈与を受けた財産の合計額が、年間の基礎控除額である110万円を超えた場合に暦年課税と相続時精算課税、どちらも申告義務が生じます。2025年(令和7年)分の申告期限は2026年(令和8年)の3月16日(月)までです。
また、住宅取得等資金の非課税措置等を利用する方も、贈与税申告が必要です。
受贈者(財産をもらった人)の住所地を管轄する税務署へ、e-Tax・郵送・窓口持参のいずれかの方法で提出します。
現金をもらった人が贈与税申告をする際に必要な書類、入手方法
1年間(1月1日~12月31日)で、110万円超の現金をもらった人の贈与税申告で必要な書類は以下の通りです。
※1.必要な本人確認書類は以下の通りです。

出典:国税庁「令和7年分贈与税の申告のしかた 申告書の作成のしかた等」
※2.マイナカードが無くてもID・パスワード方式でも申告できるが、2026年2月現在新規受付を停止
住宅取得等資金の非課税措置を使い、贈与税申告をする人の必要書類
2024年1月1日から2026年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの自身が居住する家屋の新築・取得または増改築などに充てるための金銭をもらった場合は、一定の要件を満たすと一定額まで贈与税はかかりません。(住宅取得等資金の非課税措置)
省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円まで、贈与税が非課税となります。
原則として、贈与税の申告書の提出期限までに申告をしないとこの非課税措置は適用されませんので注意しましょう。
| 非課税限度額 | |
| 省エネ等住宅※ | 1,000万円まで |
| それ以外の住宅 | 500万円まで |
※省エネ等住宅は、以下の住宅を指します。

出典:国税庁「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の要件などは、こちらの記事をご参照ください。
非課税措置の適用後の残額に関しては、暦年課税方式の場合は基礎控除110万円の適用が可能で、相続時精算課税方式も相続時精算課税に係る基礎控除110万円、特別控除2,500万円を適用できます。
まずは贈与税申告に必要な書類を見ていきましょう。
| 必要書類 | 本人確認書類、他に必要な物 | 入手方法 | |
| 住宅取得等資金の非課税措置を適用する人 住宅取得等資金の非課税措置+暦年課税方式で申告 | 第一表と第一表の二 | 税務署で申告書を提出:税務署で本人確認書類※1の提出が必須 Webで書類を作成、税務署で郵送 e-Taxの場合:マイナンバーカードが必要※2 カードを読み取るスマートフォンまたはICカードリーダライタも必要 | 国税庁のHPからダウンロードまたは電子申告(e-Tax) |
| 住宅取得等資金の非課税措置+相続時精算課税方式で申告 | 第一表と第一表の二と第二表 |
添付書類は以下の通りです。
| 共通 |
| 受贈者の戸籍謄本など、受贈者の氏名と生年月日、贈与者が受贈者の直系尊属に該当することを証明できる書類 |
| 新築又は取得 |
| 住宅用の家屋の新築に関わる工事の請負契約書の写しや売買契約書の写しなど、工事の契約または取得の相手方を明らかにする書類 登記事項証明書で明らかになる場合は、登記事項証明書でも可 <令和8年3月15日までに新築の工事が完了または取得している> 住宅用の家屋に関する登記事項証明書 <令和8年3月15日において新築の工事が完了に準ずる状態> 1.新築に係る工事の請負契約書の写しなどでその家屋が住宅用の家屋に該当すること及び 床面積を明らかにする書類 2.新築に係る工事を請け負った建設業者などの住宅用の家屋が工事の完了に準ずる状態にあることを証する書類(工事の完了予定年月の記載があるものに限る) 3.新築をした住宅用の家屋を居住用に供したときは遅滞なく登記事項証明書類を所轄税務署長に提出することを約束する書類 <建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、耐震基準に適合するもの> 耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写し、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類のいずれか <建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、耐震改修を行ったもの> いずれかの申請書等の写し、および証明書等 申請書等 a 建築物の耐震改修の計画の認定申請書、b 耐震基準適合証明申請書(仮申請書)、c 建設住宅性能評価申請書(仮申請書)、d 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書 証明書等 耐震基準適合証明書、耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写し、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類 <新築・取得をした住宅用の家屋が省エネ等住宅である場合> <令和8年3月15日までに新築の工事が完了・取得している> 次のaからeのいずれかの書類 a 住宅性能証明書 c 住宅省エネルギー性能証明書 b 建設住宅性能評価書の写し d ①及び②の両方の書類 ① 長期優良住宅建築等計画等の(変更)認定通知書の写し ② 住宅用家屋証明書(もしくはその写し)または認定長期優良住宅建築証明書 e①及び②の両方の書類 ① 低炭素建築物新築等計画の(変更)認定通知書の写し ② 住宅用家屋証明書(若しくはその写しまたは認定低炭素住宅建築証明書 <令和8年3月15日において新築の工事が完了に準ずる状態> 新築をした住宅用の家屋の工事が完了したときは遅滞なく上記の書類を所轄税務署長に提出 することを約束する書類 |
| 増改築など |
| 住宅用の家屋の増改築等に係る工事の請負契約書の写しなどで増改築等に係る工事の契約の相手方を明らかにする書類 <令和8年3月15日までに増改築等の工事が完了している> 住宅用の家屋に関する登記事項証明書 ※場合によっては他の書類も必須だが、申告書への不動産番号等の記入又は登記事項証明書の写しなどの提出で原本の添付を省略できる 確認済証の写し、検査済証の写し、増改築等工事証明書(リフォーム工事瑕疵担保責任保険契 約が締結されていることを証する書類も必要な場合あり)のいずれか 増改築等に関わる工事の請負契約書の写しなど、増改築等をした年月日と工事に要した費用の額と明細を明らかにする書類 <令和8年3月15日において増改築等の工事が完了に準ずる状態> ①増改築等に係る工事の請負契約書の写しなどで住宅用の家屋に該当すること、床面積を明らかにする書類 ② 増改築等に関わる工事を請け負った建設業者などの住宅用の家屋が工事の完了に準ずる状態にあることを証する書類(工事の完了予定日の記載があるものに限る) ③ 増改築等に係る工事が完了したときは遅滞なく完了時に提出する書類を所轄税務署長に提出することを約束する書類 |
出典:国税庁「住宅取得等資金の贈与税の特例に係る「チェックシート」及び「添付書類」の区分」
住宅取得等資金の贈与税の非課税措置は、ケースによって提出する書類が異なり、添付書類が多くなっています。
国税庁ホームページにあるチェックシートで、必ず確認することをおすすめします。
必要書類準備のポイントと注意点
添付書類は、発行から○カ月以内など期限が指定されているものを求められるケースがありますので、注意して取得しましょう。また、複数の特例を組み合わせて利用する場合は書類が増えるため、事前に管轄の税務署や税理士に確認しておくと手間が省けます。
住宅取得等資金の非課税特例などは、床面積・取得時期・所得要件など細かい条件があります。国税庁のチェックシートで事前に必ず確認しましょう。
まとめ
「自分のケースにどの書類が必要かわからない」「特例が使えるかどうか判断できない」という場合は、税理士への相談をおすすめします。贈与税は申告期限を過ぎると加算税や延滞税が発生するほか、非課税措置は申告をしないと適用されないものもあります。手続きの見落としや書類の不備は思わぬ損失につながることもありますので、不安な点は専門家に早めに確認しましょう。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、連結納税から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
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贈与税と所得税の確定申告は同時にできない!違い、期間を知っておこう
「贈与税の申告と所得税の確定申告を同時にやりたい」「所得税の確定申告のついでに贈与税も申告できるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
贈与税と所得税の確定申告は、課税対象や納税の目的が異なりますので別々の手続きとして行う必要があります。
本記事では、贈与税と所得税の確定申告の違いや申告期間、同時に手続きを行う際の注意点について解説します。贈与に関するお役立ち情報もお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

贈与税と所得税の確定申告は同時にできない!申告期間と主な違い
贈与税申告と所得税などの確定申告は、時期は重なっているものの、課税対象や納税の目的が異なりますので手続きは別々に行います。
| 確定申告 (所得税・住民税など) | 贈与税申告 | |
| 対象 | 給与、事業、副業などの所得(収入―経費) | 個人から貰った現金、不動産・貴金属などの財産、一定の権利など |
| 申告時期 令和7年(2025年)分 | 令和8年(2026年)2月16日~3月16日 | 令和8年(2026年)2月2日~3月16日 |
| 対象者 | フリーランス、副業がある会社員など | 個人から年間110万円超の贈与を受けた人 |
| 目的 | 1年間の所得に対する税金を精算する | 財産の無償の移転に対する税金を精算。相続税(所得の再分配)を補完する役割を担う |
| 基礎控除 | 年間0~95万 所得によって異なる ※令和7年(2025年)分、令和8年(2026年)分 | 年間110万円 |
| 申告書の提出先 | 提出時に自分の住所地を管轄する税務署 | 受贈者(貰った人)の住所を管轄する税務署 |
所得税などは「自分が稼いだお金」に対する税金ですが、贈与税は「人から貰ったお金」に課税されます。納税の目的も異なりますので、申告が分けられており、申告書も別のものを使用します。
令和7年(2025年)分の、贈与税申告と所得税などの確定申告の期間もチェックしておきましょう。
| 令和7年(2025年)分の贈与税申告:令和8年(2026年)2月2日~3月16日まで 令和7年(2025年)分所得税の確定申告:令和8年(2026年)2月16日~3月16日まで |
贈与税の確定申告で使用する申告書や添付書類は、以下からダウンロードできます。
所得税の確定申告は以下のページに、申告書や申告方法などが掲載されています
| 確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/syotoku/r07.htm |
贈与税と所得税の確定申告、まとめて申告するには?
贈与税と所得税の確定申告は、e-Taxによる電子申告が可能です。
電子申告でも別々の手続きにはなりますが、休みの日などにまとめて申告をすることは可能です。電子申告の場合、贈与税と所得税などは同じサイトを利用して申告できます。
| 国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」 |
システム上、所得税と贈与税のデータは別ファイルとして管理されます。
そして「贈与税」と「所得税」の確定申告書の送信は別々ですので、必ずデータをそれぞれ作成・申告しましょう。
例えば「所得税などの申告データを送信」した後に、続けてトップ画面に戻り「贈与税の申告データを作成・送信」する必要があります。
まとめて申告してしまう場合に多いミスとして「片方だけ送って安心してしまう」という事例があります。必ず両方の「受信通知(送信完了メール)」を確認しましょう。
まとめ
贈与税と所得税の確定申告は、申告期間が重なっていても別々の手続きとして行う必要があります。e-Taxを利用すれば同じサイトから申告できますが、それぞれ個別に送信する必要があるため、送信漏れには十分注意しましょう。
贈与税は、相続時精算課税制度や住宅取得等資金の贈与の特例、教育資金・結婚子育て資金の一括贈与など、さまざまな特例制度があり、適用要件や必要書類も複雑です。また、申告漏れや計算ミスがあると、加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性もあります。
「贈与を受けたけれど、申告が必要かわからない」「特例を使いたいが、どの制度が有利なのか判断できない」といった場合は、税理士に相談することをおすすめします。
贈与税に詳しい税理士は専門知識と経験があり、適切な申告方法や節税対策についてアドバイスしてくれます。安心して申告を進めるためにも、まずは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、連結納税から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
相続税の申告書は国税庁HPでダウンロードできる!入手方法を解説
「相続税の申告書はダウンロードできる?どこで手に入るの?」「税務署に行かないともらえないのだろうか?」
相続税の申告書は国税庁ホームページでダウンロードが可能です。また、税務署の窓口で受け取ることもできます。
今回は、具体的な入手方法に加え、申告書の書き方の書類を手に入れる方法、「そもそも自分だけで申告できるのか、専門家に頼むべきか」の判断ポイントについても解説します。スムーズな相続手続きのために、ぜひ最後までご覧ください。

相続税の申告書は、国税庁ホームページでダウンロードまたは税務署の窓口でもらえる
相続税の申告書は、国税庁のホームページでダウンロードする、もしくは税務署の開庁時間に窓口で受け取るという2つの入手方法があります。
1.国税庁ホームページからダウンロードする
PC環境が整っていれば、最も手軽で時間がかからない方法です。以下のページからダウンロードします。
| 相続税の申告書等の様式一覧(令和7年分用) https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/r07.htm |
相続税の申告書は第1表から第15表まであり、相続財産の種類や相続人の属性、納税猶予の申請の有無などにより必要書類が異なります。
ご自身で申告書を作成する場合には、必要な提出書類を、自宅やコンビニなどのプリンターで印刷して使用します。
「機械に弱くて、印刷方法が分からない」という場合は、周囲に相談または税務署の窓口に取りに行きましょう。
相続税の申告のやり方も、下記ページで確認できます。
相続税の概要、申告が必要な人、申告書の提出場所や期限も記載されていますので「相続税のあらまし」、「相続税の申告」に目を通すことをおすすめします。
相続税申告書の書き方(申告のしかた)もあわせて入手可能です。
2.税務署の窓口で受け取る
相続税申告書は、全国の税務署にて無料で受け取れます。
被相続人(亡くなった方)の住所以外でも受け取りは可能です。ただし、申告書の提出先は、被相続人の住所を管轄する税務署です。(海外で亡くなった場合を除く)
開庁時間は、月曜日から金曜日(祝日などを除く)の、午前8時30分から17時までです。
相続税申告は自分でできる?
法律上は、相続人が自分で相続税申告をすることは可能です。
ただし、実際には不動産や非上場株式、骨とう品などの財産評価がある、各種特例の適用判断が難しい、10年以内に相続が連続して発生している(相次相続)、相続人同士で意見が食い違うケースなどは専門家に相談する方が無難と言えます。
例えば不動産の評価は路線価方式や倍率方式を使いますが、土地の形状が不整形、複数の道路に面しているなどイレギュラーなケースでは補正計算が複雑で、貸宅地や貸家建付地などの評価も専門的な知識が必要です。貸付用不動産については富裕層が節税に利用する事例が多く、改正の可能性がありますので最新の情報をチェックしなければなりません。
<関連記事>2026年税制改正大綱が公表!相続税の貸付用不動産の評価は取得価額の8割に
非上場株式の評価は、類似業種比準方式や純資産価額方式など、専門的な計算が求められ、専門知識が無い場合は困難でしょう。
特例の適用判断も難しく、小規模宅地等の特例は最大80%の評価減が受けられますが、適用要件が複雑で、素人の判断はリスクが非常に高いです。不動産は、被相続人(亡くなった方)の居住用財産(空き家)を売った時に譲渡所得が生じた場合、一定の要件を満たすと最高3,000万円まで控除できる特例もありますがこの特例も要件が多く複雑です。
10年以内に相続が連続して発生する「相次相続」は、相次相続控除という制度がありますが、計算が複雑ですので税理士への相談が推奨されています。
また、相続人同士で意見が異なるケースはトラブルに発展してしまう恐れがありますので、早めに専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
相続税の申告書は、国税庁のホームページでダウンロードすることで入手が可能です。全国の税務署の窓口でも受け取ることができますが、開庁時間(午前8時30分から17時まで)内に税務署に赴く必要があります。
相続税の申告期限は亡くなった日(または亡くなったことを知った翌日から10カ月以内)ですが、身近な人が亡くなると、相続を始めお通夜や告別式などのお葬式、役所の手続き、クレジットカードや公共料金の解約などやるべきことが多いです。
相続税の申告を税理士に依頼することで、適切な財産評価ができる、複雑な計算や書類作成から解放されるなどのメリットがあります。
当事務所では、初回の相談を無料で行っています。まずは今の状況を相談し「自分でできそうか」「依頼した方が得か」をプロの視点で判断してもらうことが近道といえるでしょう。
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監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、連結納税から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
贈与税の相談は税務署と税理士、どちらにすべき? メリット・デメリット、注意点を解説
贈与税の申告で「税務署と税理士、どちらに聞くべき?」「知識が無いけど、自分だけで手続きできるのだろうか」と悩む方は少なくありません。
贈与税の申告時期は所得税などの確定申告と重なるため、税務署の窓口は混雑し対面での相談は予約が必須です。
無料相談は魅力的ですが、税務署は公平・中立な立場で回答します。申告内容によっては「本来払わなくて済んだ税金」を支払ってしまうリスクも潜んでいます。
後悔しない贈与税申告をするために、税務署と税理士それぞれのメリット・デメリット、注意すべき点を把握し、最適な相談先を見極めましょう。

税務署への相談は、ネット・電話・対面の3つの方法がある
贈与税の申告・納税は、財産をもらった人が、贈与された年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっています。贈与税について分からないこと、疑問、不安な部分がある場合は税務署もしくは税理士に問い合わせます。
贈与税申告は、所得税・住民税等の確定申告と時期が重なっており、税務署への電話や相談も確定申告と管轄が同じです。
税務署に相談する方法と相談できる主な内容、方法は以下の通りです。
| 相談方法 | 相談できる主な内容 | 相談方法 |
| インターネットで完結 | 申告の手順、e-Taxでの申告方法 | 税務相談チャットボット タックスアンサー(よくある税の質問) ヘルプデスクFAQ(e-Tax・作成コーナーの操作に関する質問) |
| 電話 | 贈与税の計算方法、申告書の書き方など一般的な相談 | 確定申告電話相談センター 2026年1月5日(月)〜3月16日(月) 確定申告期は電話が大変混み合っており、連休明けや月曜日は特に混み合っています |
| 対面の相談 | 書類の確認が必要な場合など、直接会って相談したいケース | 税務署の予約相談 事前予約が必要 確定申告会場で相談 LINEによるオンライン事前予約が必要 |
出典:国税庁「国税に関するご相談について」をもとに作成
贈与税申告を税務署に相談するメリット
贈与税申告を税務署に相談すると、無料というメリットがあります。また、確定申告会場で相談すると職員と一緒に確認しながら作成できますので、計算ミスや書類の不備をその場で修正できます。
税務署に相談するデメリット・注意点
贈与税申告は、所得税などの確定申告と時期が重なり税務署が混雑する、手続き関連や一般的な回答に留まる、税務署の相談は平日の8:30から17:00までの対応などの注意点やデメリットがあります。
1.所得税などの確定申告と重なり混雑する
贈与税の申告期間(2月1日〜3月15日頃)は所得税の確定申告と重なりますので、窓口は非常に混み合い、数時間の待ち時間が生じる、当日枠が限られ相談ができないケースがあります。
2.回答は手続きの方法や、一般的なものが中心
税務署は国税の徴収を公平に行う行政機関です。
個別の事情に踏み込んだ「どうすればもっと税金が安くなるか」といった節税のアドバイスは受けられず、イレギュラーな判断を委ねるのも困難でしょう。税務署に設置された資料に基づいた、手続きの流れや方法、標準的な計算方法のアドバイスが中心となります。
3.電話や対面の相談は、平日の8時半から17時まで
電話は平日8:30〜17:00、税務署の開庁時間は、月曜日から金曜日(祝日などを除く)の8:30〜17:00です。土日が休みで昼間の仕事をしている場合、勤務時間によっては休暇を取って足を運ばなくてはいけません。
税理士に贈与税申告を相談するメリット4つ
税理士に贈与税申告を相談することで、節税効果や相続を見据えたトータルなアドバイスが期待できる、税務調査のリスクを軽減・対応できる、正確な財産評価が可能などのメリットがあります。
1.節税効果が期待できる
税務署は、評価額が圧縮できる制度の存在や特例などについては教えてくれますが、中立な立場ですので複数の選択肢がある場合に「どちらが納税者にとって得か」までは踏み込みません。例えば、暦年贈与で毎年同額を同時期に贈与すると、税務署に「定期金給付契約に基づく定期金に関する権利」の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。たとえ年間110万円以内の基礎控除額の範囲内であっても、贈与税が課されてしまいます。
ただし、贈与する度に契約書を作成し金額や時期を変更するなど「独立した贈与であること」を証明できるようにすれば課税されません。
相続時精算課税を選択するという方法もあり、相続を見据えた専門知識を持つ税理士に相談することが重要となります。
2. 税務調査のリスクを軽減・対応できる
税理士が作成した申告書には「税理士の署名」が入りますので、信頼性が高まるというメリットがあります。また、万が一税務調査が入った際にも、税理士が立ち会うことが可能です。
3.正確な「財産評価」で過払いを防ぐ
例えば土地の評価では、形が歪で四角ではない(不整形地)などマイナス要因を適切に反映させることで、評価額を下げられるケースがあります。税務署では現場調査を行っていないため、納税者に専門知識が無いと見落とす事例は多いです。
不動産・有価証券・ゴールド・骨董品などは評価方法が複雑で、適切に評価しないと余分な税金を支払うことになりかねません。税理士は、不動産鑑定士などの専門家とも連携しながら適正な評価額を算出してくれます。
4.相続を見据えたトータルなアドバイス
贈与税だけでなく、将来発生する「相続税」まで見据えたアドバイスがもらえます。贈与税申告だけではなく、家族間でのトラブルを防ぐための遺言書のアドバイスなど資産全体のコンサルティングが受けられる点も大きなメリットです。
税務署もしくは税理士に相談した場合の比較表を見ていきましょう。
| 区分 | 税務署に相談 | 税理士に相談 |
| スタンス | 公平・中立 | 納税者の味方 |
| 土地評価 | 基本的な評価 | 減額要因を細かく反映 |
| 視点 | 贈与税申告の回答 | 将来の相続まで見据える |
| 調査対応 | 自分で対応 | すべて代行可能 |
| コスト | 無料 | 数万円〜 (税理士法人によって異なる) |
税理士に贈与税申告を相談するデメリット
税理士に税務相談や申告を依頼すると、コストがかかります。ただし、専門知識が無い者が財産評価をすると、評価額を高く見積もり税金を多く支払ってしまう可能性があります。
まとめ
税務署における相談は、無料で贈与税申告の手続きや一般的な計算方法を教えてもらえます。
ただし、中立・公平な立場ですので、納税者にとって最も有利な申告方法までは教えてくれません。税理士に相談することで、税金の負担が少ない生前贈与の方法や、将来の相続税まで見据えた戦略的なアドバイスを受けられます。税務調査のリスクも軽減でき、万が一の際には専門家が立ち会って対応してくれる安心感もあります。
後悔しない贈与税申告のために、贈与税に強い税理士に相談してみることをおすすめします。まずは、気軽に問い合わせてみましょう。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、連結納税から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
グループ内の税理士法人・相続サポート会社・M&A支援会社が連携し、専門性の高いサービスをワンストップでご提供いたします。
また、オンライン相談にも対応しており、遠方や海外在住の方でも安心してご相談いただけます。
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2026年税制改正大綱が公表!相続税の貸付用不動産の評価は取得価額の8割に
2026年税制改正大綱が公表されました。相続税の貸付用不動産の評価方法が見直され課税時期前5年以内に対価をともなう取引により取得・新築をした一定の貸付用不動産については課税時期における通常の取得価額に相当する金額で評価することとする改正が検討されています。
また、教育資金一括贈与の非課税措置が終了する一方で、事業承継税制は延長されます。今回の記事では、税制改正大綱の相続税・贈与税関連の主なトピックスを解説していきます。

相続税:貸付用不動産の評価方法の見直し
貸付用不動産の市場価格と通達評価額とのかい離を利用し、相続税・贈与税を節税する事例が把握されている事態が相次いでいることから、評価方法の見直しが検討されています。
これまでの経緯について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
具体的には、被相続人(亡くなった方)などが課税時期前5年以内に対価をともなう取引により取得・新築をした一定の貸付用不動産については、課税時期における通常の取得価額に相当する金額で評価します。
この改正は、2027年分以後に適用される予定です。
贈与税:教育資金一括贈与の贈与税非課税措置は2026年3月末まで
教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置とは、祖父母などから30歳未満の子・孫へ、教育資金を一括贈与した場合に受贈者1人につき最大1,500万円まで贈与税が非課税になる制度です。
この非課税措置については、昨年の税制改正大綱でも廃止が言及されてきましたが、利用実態や格差固定化の懸念、教育費の無償化による負担軽減などを踏まえ、2026年4月以降は延長しないことになりました。
2026年3月末までは利用できますので、利用したい方は早めに検討しましょう。
個人版・法人版事業承継税制の延長
個人版・法人版事業承継税制は時限措置ですが、一部の措置が延長されます。
| 事業承継税制(時限措置)の延長 | 個人の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について、個人事業承継計画の提出期限が現行2026年3月末まで→2028年9月末までに延長 非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予の特例制度は、特例承継計画の提出期限が現行2026年3月末まで→2027年9月末まで延長 |
相続税対策、教育資金一括贈与は早めに専門家に相談を
2026年税制改正大綱では、貸付用不動産の相続税評価見直し、教育資金一括贈与の非課税措置の終了などが決定されました。
相続税対策として賃貸マンションの購入を検討されている方は、やり方を変更する、2026年度にマンションを購入するなどの対応が必要となります。
教育資金一括贈与の非課税措置を希望する場合は、2026年度3月末までに実行しなければならず早めの行動が必要です。
相続や贈与を検討されている方は、早めに税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

監修 玉城 慎之介
税理士/沖縄税理士会/税理士登録2017年/登録番号135867
琉球大学大学院を卒業後、STC国際税務会計事務所へ入社。
その後、STC国際税理士法人を設立。現在はSTCグループの代表として、相続案件のみならず上場企業の国際税務コンサルティング、連結納税から中小企業まで幅広い業態の税務業務、起業支援等に注力。

事務所のある沖縄県と関東を中心に、日本国内はもちろん、国外居住の方まで幅広く対応しております。相続税の申告や手続き、事業承継、第三者承継、国際相続まで、多様なご相談に対応可能です。
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