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はじめに
今年も残すところあとわずかとなりました。
この時期は「ふるさと納税」を行う方や、行おうと考えている方も多いのではないでしょうか?
ふるさと納税は、自身が応援したい地方公共団体に寄附を行うことで、その地域の名産品などが返礼品としてもらえるほか、寄附額から2,000円を差し引いた金額が所得税・住民税から控除される(※)というお得な制度です。実質2,000円で返礼品をもらえるということで大人気の制度で、総務省の公表によると令和4年度には受入件数5,184.3万件、受入額が9,654.1億円となったそうです。
※所得金額に応じた控除限度額がありますので注意が必要です
そんなふるさと納税ですが、実は相続税の節税としても使える場面があります。
相続税が非課税に!
相続税には「国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税等」という規定があります(租税特別措置法70条)。この規定は、相続財産を国や地方公共団体などに贈与すると、その財産については相続税の対象から除かれるというものです。
相続財産を使ってふるさと納税を行った場合も、この規定の適用を受けることができます。
例えば、相続財産のうち現金10万円をふるさと納税に充てた場合、この現金10万円が相続税の対象から除かれます。相続税の税率は10%~55%ですが、最低税率の10%で計算した場合でも1万円(=10万円×税率10%)の節税となります。所得税・住民税から控除される金額と合わせると返礼品がもらえるだけでなく寄附額よりも大きな節税となることもあります。
なお、主な適用要件は下記の通りとなります。
- 遺言による寄附でないこと
- 相続税の申告期限までに寄附を行うこと
- 相続税の申告時に明細と寄附金受領証明書を添付すること
- 相続した財産をそのままの形で寄附すること
(不動産などを現金に換えてから寄附するのは適用対象外)
【国税庁HP No.4141 相続財産を公益法人などに寄附したとき】
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4141.htm
さいごに
所得税・住民税の節税になることは広く知られている「ふるさと納税」ですが、上記のように相続税の節税となることもあります。適用できる場面は少ないかもしれませんが適用できるときは忘れず活用したいですね。