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配偶者居住権とは
配偶者居住権とは、夫婦のどちらかが亡くなった場合に、亡くなった方が所有していた建物を残された配偶者が亡くなるまで
又は一定の期間
、無償で住むことができる権利です。
この権利により、建物を相続する際に建物の所有権と居住権をわけて相続することができるようになりました。
配偶者居住権の要件
配偶者居住権が成立するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 配偶者が被相続人(亡くなった方)の財産である建物に相続開始の時に居住していたこと
- ①遺産分割、②遺贈、③死因贈与、④家庭裁判所の審判、のいずれかにより配偶者居住権を取得したこと
- 被相続人が相続開始の時において居住建物を配偶者以外の者と共有していないこと
- 配偶者が被相続人の法律上の配偶者であること
配偶者居住権のメリット、デメリット
メリット
- 建物の所有権と居住権をわけて相続することができるため、相続できる資産のバリエーションが増える。
- 配偶者が亡くなった場合の、建物の2次相続の心配がいらなくなる。
- 配偶者居住権は譲渡することはできないが、所有者の承諾を得れば第三者へ賃貸させることができる。
デメリット
- 配偶者は、建物の通常の必要費(固定資産税や通常の修繕費等)を負担する必要がある。
- 不動産の譲渡・売却をすることができない。
- 2次相続まで考えた場合、税負担が増える可能性がある。
最後に
配偶者居住権は残された配偶者の生活への配慮等の観点からできた制度になりますが、配偶者居住権を設定することが一概に良い選択とは限りません。
相続人にとって良い選択をすることができるには、さまざまな観点から検討する必要ございます。