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はじめに
暗号資産(仮想通貨)として代表的なビットコインが約2年4か月ぶりに史上最高値を更新した、というニュースがありました。最高値を更新後はまたすぐ急落するなど、ビットコインを保有している方にとっては落ち着かない値動きになっています。
本日は、暗号資産と相続税との関係についてご紹介したいと思います。
暗号資産にも相続税が課税される?
亡くなった方が暗号資産を保有していた場合、その暗号資産にも、もちろん相続税が課税されます。
それでは、暗号資産は相続税の計算上、どのように評価されるのでしょうか?
ビットコインのような活発な市場が存在する(※)暗号資産は相続が発生した日時点の取引価格によって評価することになっています。
※「活発な市場が存在する」場合とは、暗号資産取引所又は暗号資産販売所において十分な数量及び頻度で取引が行われており、継続的に価格情報が提供されている場合をいいます。
【国税庁HP 暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和5年12月)】
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
評価方法はとてもシンプルですが、現在のように高値となっている場合、懸念される点もあります。
例えば、相続が発生した日の暗号資産の取引価格が1,000万円、数か月後に急下落して取引価格が500万円となった場合はどうでしょうか。
この場合、今は500万円の価値しかないものが相続税の計算上はなんと1,000万円の価値があるものとして課税されてしまうのです。場合によっては相続税の納税資金が不足してしまうということになりかねません。
おわりに
上記のように、思わぬ課税がされてしまう可能性がある暗号資産ですが、逆に相続が発生した日が偶然安値でその後価値が上昇して得をしたという方もいるでしょう。
価値の変動が激しい財産なので、課税時期の取引価格だけではなく数か月の中から一番低い取引価格を選択できるようになったら良いなと個人的には思っています。
暗号資産はまだ歴史が浅い財産なので課税の公平という意味で評価方法が改善されていくと良いですね。