災害による被害を受けたときの相続税の税制上の措置について

この度の能登半島の地震で被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

今回は、能登半島地震における相続税法上の措置およびこの度の地震のように、災害被害を受けたときの相続税の税制上の措置についてご紹介させて頂きます。

能登半島地震における相続税の税制上の措置

1.相続税及び贈与税に係る申告・納付等の期限の延長

 被相続人が石川県、富山県に納税地を有する場合には、令和6年1月1日以降に到来する相続税、贈与税の申告・納付期限が自動で延長となります(申請手続き等は必要ございません)。

※相続税の場合は令和5年2月28日、贈与税の場合は令和5年1月1日以降に相続(贈与)により財産を取得した方が対象になりますのでご注意ください。

 また、石川県、富山県以外に納税地を有する場合におかれましても、この度の地震で被災された方については、所轄の税務署長に対し、個別に申請することで、これらの措置の適用を受けることができます。

 延長期限に関しましては、被相続人が石川県、富山県内に納税地を有する場合には、①国税庁の定める日と、②災害発生日の翌日から10カ月を経過する日(令和6年11月1日)のいずれか遅い日まで延長となります(被相続人の納税地が石川県、富山県以外の場合には、令和6年11月1日まで)。

 1月24日現在、「国税庁の定める日」はまだ公表されておりませんが、少なくとも、令和6年11月1日までは延長できるということになります。

 なお、細かな要件もございますので、ご自身が対象になるか否か等につきましては、下記URLからご確認ください。

【国税庁-「令和6年能登半島地震」により被災された納税者の相続税及び贈与税に係る申告・納付等の期限の延長について】

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r6/noto/pdf/0023001-073_01.pdf

2.相続放棄等の熟慮期間の延長

 相続人は、被相続人の残した財産のみならず、借金等の債務も引き継ぐことになりますが、こうした場合、「相続放棄」をすることにより、引き継がない選択をすることも可能です。

 通常、相続放棄をする場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から3カ月以内に家庭裁判所に申述をしなければなりませんが、この度の被害に遭われた方に関しましては、その期間を令和6年9月30日まで延長することとされています(ご自身が対象になるか否かにつきましては下記ホームページをご確認ください)。

【法務省ホームページ】

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00346.html

その他、今回の地震をはじめ、災害があった場合には、特定土地等の特例や災害減免法による減免といった措置もございますので、下記にて紹介させて頂きます。

災害を受けたときの相続税の税制上の措置とは?

 今回の能登地震に限らず、災害を受けた場合、相続税には申告期限の延長、減免といった税制上の措置があります。以下、その措置の内容について紹介させて頂きます。

 なお、ここでいう「災害」とは「特定非常災害」を指し、甚大な被害をもたらしたと内閣府が定める災害になります(詳細は下記URLをご確認ください)。以下、このページでは便宜的に「災害」と表記します。

1.特定土地・特定株式等の評価額

 特定土地・特定株式については、取得時の時価によらず、災害発生直後の価額によることができるため、税負担を軽減できる可能性があります。

※特定土地…災害により甚大な被害を受けたと財務大臣が指定する地域のこと

※特定株式…災害により甚大な被害を受けた地域内にあった動産、不動産、不動産の上に存する権利および立木の価額の合計額が保有資産の合計額の10分の3以上である法人の株式等(上場株式等を除く。)

2.災害減免法による減免

 相続等により取得した財産が、災害によって被害を受けた場合、一定の要件を満たせば、相続税が減免されます。

  • 法定申告期限前に災害があった場合

 相続税の申告書に、被害の状況や被害額等を記載した相続税等の財産の価額の計算明細書を添付し、申告期限内に税務署に提出することによって、課税価格を減額することができます。

  • 法定申告期限後に災害があった場合

 相続税等の免除承認申請書に、被害の状況や被害額等を記載し、災害のやんだ日から2か月以内に、納税地の所轄税務署長に提出することによって、課税価格を減額することができます。

 なお、要件など詳細につきましては下記URLをご参照ください。

 その他、災害により被害を受けた場合にはこの度の地震同様、申告・納付期限の延長を受けられる場合がございます。そのため、災害があった際には、ご自身が措置の対象になるか否かをまずは確認してみましょう。

【国税庁-災害を受けたときの相続税の取扱い】

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/saigai/8006.htm

【国税庁-相続税又は贈与税の災害減免措置について(令和6年能登半島地震用)】https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r6/noto/pdf/0023001-073_02.pdf

おわりに

 ここで紹介した内容以外にも、災害があった場合には相続税に対する様々な税制上の措置がございます。今回は申告期限の延長や減免といった主な措置を紹介するに留まりましたが、その時の状況に応じて、税理士や専門家の方にご相談頂くことをお勧めいたします。

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